血管の閉塞や出血の部位に応じて視野の一部が欠けて見えたり、その場合は視野の中心に突然黒い影が現れたように感じたりします。痛みなどの症状はありません。
網膜機能のなかで中心をなす黄斑部にかかるむくみ(黄斑浮腫)や出血の程度が強いと症状はより重いものになります。
発症してから時間がたつと血管の閉塞によって血流が低下したエリアに新生血管という新しい血管ができてくることがあります。これは循環を補うための体の生理的な防御反応なのですが、新生血管は非常に破れやすいため、これが新たな病態を生み(硝子体出血や血管新生緑内障)、病気をより重症化させることになります。
静脈の閉塞した領域を放置しておくと、新生血管という異常な血管が発生し病態をより悪化させます。そのため、この新生血管の発生自体を防ぐため、悪い部分をレーザーで焼き固めます。
この治療自体で視力が向上するとはかぎらず、将来的により重症化するのを防ぐのを第一の目的とする治療です。
網膜静脈閉塞症に黄斑浮腫(むくみ)を伴っている場合、薬物治療が治療の選択肢の一つとなります。抗VEGF薬やステロイド徐放剤の注射をすることでむくみを引かせ、視力の改善が期待できます。病状によっては一旦薬が効いても再燃を繰り返すこともあり、その場合は再度の注射を行うか硝子体手術を選択するか検討させていただきます。
黄斑のむくみ(黄斑浮腫)が①薬物治療に反応しない場合や、②一旦反応しても繰り返し再燃する場合、③新生血管が生じてそこからの大きな硝子体出血を来たした場合、④増殖膜の牽引による網膜剥離を合併した場合、などは硝子体手術を選択肢として検討します。

高額療養費制度により、前年度の納税額次第で月々の医療費支払限度額が異なり、このことにより、上記費用より負担が軽減される可能性があります。
詳しくは受付でお尋ねください。