黒目の部分が角膜で、そのまわりの白目の部分が結膜になります。結膜には適度なゆるみがあり、上下左右などの眼球運動に耐えられるようになってます。このゆるみが必要以上に進行した状態を結膜弛緩症と言い、加齢に伴って増える傾向にあります。
眼球運動や瞬きにともなって弛緩した結膜が目の表面で過剰に動くため、ごろごろしたりしょぼしょぼすると言った不快感が生じます。また結膜にひだが生じることによって眼表面の涙の状態に影響し、流涙やドライアイといった症状にもつながります。
慢性的な異物感や眼不快感を感じておられ、いろいろ点眼を試しても症状が改善しない場合には結膜弛緩症の可能性もあります。
結膜弛緩症の治療は弛緩した結膜を切除する手術療法になります。手術は局所麻酔をしたのち10分程度で終了し、手術中の痛みは殆どありません。ただし、弛緩した結膜を切除したあと糸で縫合しますので、麻酔が切れたあとに糸による異物感が生じます。一週間程度で抜糸をします。
翼状片とは結膜(白目)が角膜(黒目)に入り込む疾患です。結膜が鼻側から角膜に侵入することが多く、初期には自覚症状は殆どありませんが、進行すると乱視が生じたりして視力障害の原因となります。紫外線の影響などが言われていますが、詳細はわかっていません。
上記症例の術後
翼状片の治療は角膜に侵入した異常な結膜を切除する手術療法になります。手術は局所麻酔で行い、重症でなければ30分程度で終了します。角膜の表面を削ったり、糸で縫合したりしますので、術後に麻酔が切れると異物感や痛みを伴います。徐々に軽快し、痛みは1-2日でひきますが、しばらくはゴロゴロした異物感や充血が残ります。手術後は感染や炎症を抑えるため点眼薬を処方します。再発する可能性もあるため、注意して経過をみていく必要があります。